勇者な二匹

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「何しに来たのよ。」


怒りを露にして突然部屋にやって来た僕に、ユリアは訝しげな視線を向けた。


「…入れて。」


「嫌よ。」


即答ぉぉーっっ!!!

友よ。それはないのではないか。何年来の親友だと思っているのだ。


「嫌よ。」


「…まだ何も言っておりません。」


「嫌よ。」


ウーラに対してのあのふつふつとした怒りが消えてしまった。せっかくユリアに聞いてもらってストレス発散しようと思ったのに。

不完全燃焼だ。



「ユリア、」


「……。あーはいはい!!わかったよ!!

ほら、早く入れ。」


「さすが友よ!!それでこそ僕の友だ!!」


「…殺すわよ？」


物騒な言葉を吐きながら、ユリアは僕を部屋に招き入れた。



バフッ


「…もう嫌だ。ヘルプ願います。」


「とりあえず起きろ。」


バシッ


部屋に入って早々にベッドにダイブしたら、ユリアに殴られた。

しかも結構強めに。


「ＷＨＹっ!?」


「何故じゃねぇよ。人の部屋で和むな。」


ブーブー言い続ける僕を、ユリアは本気で睨み付ける。



ユリアのあだ名ってね、『女帝』なんだよ。



僕的には女帝って言うより鬼畜って言う方がしっくりくるんだけどね。