勇者な二匹






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旧館。

古びていて、誰も近寄らない。

そこの中を、一匹の真っ白い奴が歩く。

「…なんか、さすがな場所だな。」



普通の人が歩けば、恐怖に逃げ出したくなりそうな雰囲気だ。

だがしかし、コイツは平然とその中を歩いていく。

ギシッ

屋上へと続く木の階段を上れば、

この旧館に似つかわしくない、重い鉄の扉が現れた。

(鍵かかってるんじゃ…?)


ようやく心に余裕のなくなったラビィは、恐る恐る扉に手をかけた。


が、案外すんなり開くもので。


開けるとそこには、たくさんの星。


「うわ…!」


本館からそこまで離れていないはずなのに、こんなにたくさんの星を見たのは初めてだった。



〜〜♪〜〜♪


「……っ…」


聞こえてきた歌声。

どこかで、聞いたことがある声。



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