勇者な二匹
声の方に近づけば、
「あ…」
目を閉じて寝転ぶ、ヤツ。
「〜〜♪、…誰だ?」
「っ、ごめんなさ、リオン先輩にここにいるって聞いてっ、」
不機嫌そうにこっちを振り返る彼、
「…ちっ、あのハゲが。
わかった、こっちこいよ。」
「…え?」
「文句あんのか?」
「いえ、あるわけないです。」
古い校舎は、フェンスがなくて学園内の景色が一望できた。
「こんなとこ、あったんだ…。」
「で、用は?」
また寝転んで瞳を閉じたウーラは、あまり話したくはなさそう。
相変わらず不機嫌そうに眉間にシワが浮き上がっている。