勇者な二匹
「わりぃ。でもいいじゃん。ちゃんと辿り着いたし。」
「てめぇのお陰じゃねぇんだよ!!ピアちゃんがここまで連れてきてくれたんだよ!!」
…ん?
聞き覚えのある名前を聞いて、嫌な予感がした。アイツがこの人をここまで連れてきたってことは…
「ラビぃー!!」
ほらね。
「…なんでピアがここにいるの。」
「リオン先輩がぁ、何か道に迷ってたっぽいからぁー!!ピアがここまで連れてきてあげたんだぁ!!」
リオン先輩と呼ばれた長めの金髪を携えるその人は、少し照れ臭そうに笑った。
「俺、超方向音痴でさ…。だからウーラに電話で案内してもらってたんだけど、俺が余りにも迷いすぎてキレられちゃって…。挙げ句無言になるしさ…。こっちも早く着きたくてイライラしてて…、それでキレて入ってきちゃったんだ!!ごめんね、ウーラ!!」
話始めはしょぼーんって落ち込んでたのに、最後には満面の笑みになってる。
コロコロ表情が変わるリオン先輩は見てて飽きないだろう。
「…用が終わったら部外者は出てけよ。」
そんな冷たい発言をするのは、例の如く不良様で。
「あんたにそんなこと言われなくても出ていきますぅー!!」
そんな反抗的な態度をとったのは例の如く部外…、ゴホン。失礼。痛い気な兎チャンで。