年上ペット
やっとの想いで自宅の玄関へ辿り着く。
(それ程の想いでもないけど)
はぁ、と大きく息を吐いて鍵を差し込もうとする手をアタシは意図的に止めた。
だって…
アタシの家の横に小さくうずくまり目を綴じている男がいるんだもの。
頭の中には疑問符が幾つも浮かんだが、今のアタシはこの眠ってるんだか気絶してるんだか分からない男よりもベッドへダイブする事の方が大事だった。
きっとこの事を杏子に言ったら血も涙も無い女だ、とか言われるだろう。