先生…行かないで。

「ひっく…」

莉奈が泣き出してしまった。

どうすればいいんだ?

とりあえず俺は莉奈を安心させ、
立たせた。

莉奈は外が暗すぎて
俺の車まで行く勇気がなく
怖かったらしい。

そうだな…。

確かに下駄箱から俺の車は
少し遠い。

しかも、明かりが少なく怖い。

怖がりの莉奈には
きっと無理だったと思う。

俺は何てことをしてしまったんだろう…

車が遠く暗いってことも知っていたのに

何で莉奈を1人で行かせたんだろう…。

俺は悔しさのあまり

莉奈を車に乗せる時

ほんの少しだけ莉奈を抱き寄せた。
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