先生…行かないで。


先生は、私に気付いて近づいてきた。

もう、これ以上近くに居たくなかった。

別れが辛いから。

でも、そんなのはお構いなしに先生は私の頭を撫でてくれた。

自分の方が辛くて苦しくて誰かに泣き縋りたいのに、私の頭を優しく撫でながら……

「別れ…辛いな」

って少し笑顔を見せた。

無理しなくていいのに。

「うん…辛いよ」

その後も先生は、ずっと私の頭を撫でてくれた。
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