先生…行かないで。
教室には、莉奈が1人で居た。
俺は深呼吸して教室に入った。
「遅くなって悪かったな」
「いや。別に」
「あのな、話しなんだが…掃除の時間ゆっくり話せなかったから話したい」
「ん」
莉奈の態度があまりにも冷たかったから俺は緊張していた。
「あのさ、莉奈は何で掃除の時間話してた?」
「だって、楽しかったから」
「何がだ?」
「洋くんが」
洋くんとは一緒に居たクラスの男子のことだ。
「お前だけに言うことでもないんだが…お前はアイツと話してて周りに迷惑だと思わなかったのか?お前なら思うだろ?」
「思わなかった。」
「なんでだ?」
「理由はない。」
俺は、ビックリした。
いつもの莉奈とは態度があまりにも違かったから。
「そうか。俺はな迷惑だと思った」
「ん」
「何でか分かるか?」
「さ-?」
俺は、少し悲しかった。
莉奈に…こんな一面があると知って。
少し言葉を失いかけた。
でも、どうしても俺の気持ちを分かってほしかった。