いつも突然な君
「…葉音が美羽ちゃんを好きな理由…わかった気がする」
寂しげに笑う健兄
そして、言葉を続けた
「…俺も、美羽ちゃんのこと好きになった…もちろん妹としてじゃなくて、1人の女の子として」
「え…?」
真っ直ぐ見つめるその瞳は、弟の葉音にそっくりで少しドキッとした
「葉音やめて…俺にしない?」
たぶん…本気だ…
でも、私は…
「私は…葉音を裏切ることは出来ない…したくない。健兄は大好きだけど…それは、お兄ちゃんとしてだから…だから…」
「うん。困らせてごめんね。…泣かないで?」
健兄の気持ちに答えられなくて、苦しくなって涙が出る私の頭を優しく撫でてくれる、昔と変わらない優しい手