そして、今日もキミを想う。【完】
第1章 再逢
ⅰ.突然の再会
季節は梅雨。
であるが、眩しい日差しが照りつける6月中旬。
俺は宮崎県にいた。
就職難のこのご時世、
何とか俺がこの会社に入社して一年以上経った。
それなりに名の知れたの大学に通っていたおかげもあるだろう。
一年以上経ったとはいえ、まだ新人の名にひとくくりにされ、
東京から遠く離れた地への出張に行かされていた。
知らない地で知らない人と取引を行う。
“新人”に任せるくらいだ。どうせ重要な取引というわけでもないのだろう。
本当はやりたいことなんてたくさんある。
でも、そんな希望が通るわけもない。
そんなご時世だ。