そして、今日もキミを想う。【完】
「男として、女に世話されっぱなしで恥ずかしいとは思わんのかぁ!」
せ、説教……?
定は俺に説教し出した。
「かっこ悪いと思わないのかよ? 寿々歌にかっこいいとこ見せてやろうとか思わねぇの?」
「思います……」
小声で答える。
さらに定が言葉を続けようとした時、七海が口を挟んだ。
「好きな人からのプロポーズ。寿々歌はきっと待ってるよ」
ソファの上のクッションを抱えながら、ちらっと七海はこちらに視線を向けた。
「寿々歌は忍耐力があるから、何も言わずに待ってるんじゃない? 女の子の憧れだよ、好きな人からのプロポーズは」
それだけ言うと、また七海は他人事のような顔をした。