そして、今日もキミを想う。【完】
「何でだよ! お前は一緒にいたんだろ?! 何でお前が寿々歌を守らなかったんだよ……!」
どうする事も出来ない現実に、ただ怒りが募る。
その怒りを、俺は大声を上げて目の前の男にぶつけた。
店の中だろうと構わない。
啓太がついていたのに、何故こんな事になった……。
「分かってる。俺のせいだ」
啓太は静かに俺の言い掛かりを受け入れた。
あまりに素直すぎて、啓太らしくなかった。
俺の怒りも意気消沈する。
「……だけど、あいつは俺のせいだって事すら知らないんだよ! それどころか、俺と愛し合ってた事すら覚えてないんだよ……っ!」
啓太は悔しそうに、震える拳をテーブルにぶつけた。