そして、今日もキミを想う。【完】

目が覚めた。
視界にはぼんやりとした真っ白な世界が広がる。
目がうまく開けない。目が腫れている。
あのまま寝てしまったのか……。

灯りもついていないこの部屋は暗かった。
上半身を起き上がらせて、腕時計を見た。時計は一直線になろうとしている。
そろそろ夕食の時間か……。

眠ったことで俺の中をただひたすら渦巻いていた悲しさと辛さが消えて、俺の中身は今空っぽだった。
無気力のまま、着替えを済ます。

夕食はホテル内のレストランで済ませる事にしよう。
そう思い立って、俺は財布と携帯だけ持ち部屋を出た。

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