そして、今日もキミを想う。【完】
図書館に着くと、定は真っ先にカウンターに向かった。
「古い新聞も置いてますか?」
「ええ、ありますよ」
定は軽く会釈をすると、新聞が沢山並べられている棚の方へと向かった。
目的の新聞の日付の見当を付けたのか、定はひたすら同じ棚の新聞を漁り続ける。
その間、俺は後ろでただ何もせずに突っ立っていた。
新聞なんか探して、定は一体どうするつもりだというのか。
「あった」
小さな呟きが耳に入り、俺は定が手に取った新聞を覗き込んだ。
3年以上前の日付が書かれていた。
徐に定はそれを捲り出し、とあるページで捲る手を止めた。
「これ、読んで」
定は決して目立たない、小さな記事を指差した。