そして、今日もキミを想う。【完】
「……というか、何であなたに呼び捨てされなければいけないんですか?」
ついさっきまでオロオロしていたというのに、突然強気な態度を取り出す凛。
言われて思い出す。彼女が仮にも記憶が無いということ。
「ごめん、凛さん。でもさ、嘘ついてるよな? 啓太、いるんだろ?」
再び自信を失くしたように、戸惑い始める凛。
視線は決して俺と合わせようとしない。
「……いるよ」
そう言って、店の奥から啓太が出てきた。
凛はさらに戸惑って、助けを求めるように啓太を見る。
何を示しているのかは分からなかったが、啓太は凛に小さく頷いた。