そして、今日もキミを想う。【完】
「来ると思ってた」
3人だけの店内。
静かな空間に、重々しい言葉が響き渡る。
「隠してること、あるだろ」
正面で俺達は向かい合わせた。
俺より数センチ啓太の方が身長が高いせいか、見下ろされるようで気分が悪い。
沈黙が場を包む。
1分くらい静寂な時間が続いたところで、ドアのベルが乾いた音を立て、入ってきたOL達の会話が沈黙を破った。
タイミングが悪い。
「い、いらっしゃいませ」
凛は咄嗟に笑顔を作り、接客を始めた。
啓太もこれをチャンスに、俺の前から逃げようとする。
「待てって。お前には聞きたいことが山ほどあるんだ」