そして、今日もキミを想う。【完】
2階の廊下を啓太の後に続いて進む。
すると右側の部屋のドアノブに啓太が手をかけた。
静かにそのドアが開く。
中には入るな、と言うように啓太は腕を伸ばして俺を入れないようにした。
仕方なく部屋の外から覗く。
中はきちんと整頓され、白を基調にまとめられたシンプルな部屋だった。
ところどころにピンクの小物が置かれている。
「ここ……、凛の部屋なのか」
「ああ」
「じゃあ、ここは凛の家なのか?」
啓太は答えなかった。
静かにドアを閉めると、今度は廊下の突き当たりの部屋のドアを開けた。
啓太が中に入っていく。俺も続く。
そこは明らかに男の部屋だった。