そして、今日もキミを想う。【完】
「何で……、お前、俺と婚約したじゃん! 一生そばにいるって誓っただろ?!」
ワッと泣き出した啓太。
子供のように泣きじゃくる姿に、何も言えなかった。
立場がまるで逆転したのだ。
俺には都合が良すぎる。
「ごめんなさい……」
寿々歌も困ったように、ただ啓太を見つめていた。
そして、寿々歌は口を開いた。
「高校の卒業式の日……、私は大悟のことを待ってたの。きっと来てくれるって、信じてた」
俺は驚いて寿々歌をじっと見た。
寿々歌は伏し目がちに話を続ける。
「でも、来てくれたのは啓太だった。残念だった。大悟は来てくれないんだって……。それで、啓太が私を想ってくれているのを知って、啓太と付き合うことに決めたの」
そんな……。
俺がもっと早く行っていれば、こんなことにならなかったのか……?