そして、今日もキミを想う。【完】

俺達は電車に乗り込み、ディズニーランドへ向かう。
そこは、俺達の思い出の場所だった。
高校の時の修学旅行が、そこだった。
俺と啓太、寿々歌と寿々歌の親友の七海の4人でグループを組んで、一緒に回った。
寿々歌と七海はやけにはしゃいでいて、俺と啓太は「修学旅行にディズニーは無いだろ」って文句言って。
でも、何だかんだで俺達もハイテンションで。

――あの頃が、一番楽しかった……。

寿々歌がここに行くことを希望したのは、昔の楽しかった思い出に触れたかったからかもしれない。
啓太を傷付けた苦しみを、間違いなく彼女だって背負っているのだから……。

「大悟、聞いてる?」
「え、ああ、うん。それで?」

過去に飛んでいた意識が、寿々歌の声によって連れ戻される。
他愛も無い話をしながら、微笑む寿々歌。

俺の大好きな笑顔――。

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