そして、今日もキミを想う。【完】

「あれっ?」

アトラクション待ちで並んでいる時、寿々歌は正面を指差した。

「どうかした?」
「あの人……、七海じゃない?」

寿々歌が指差したのは、ショートカットの似合う女性従業員。
少し離れていてはっきりと見えないが、あの人並み外れた顔の整い方とショートカットは正しくそいつの面影を見せていた。
高校時代のクラスメート、そして寿々歌の親友であった池沢七海。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、そして……。

「もしかして、寿々歌?」
「やっぱり、七海だ!」
「寿々歌久しぶりー! ……と、あんたも」

……俺に対する態度が悪い。
以上のことより、俺はこいつが苦手だ。

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