そして、今日もキミを想う。【完】

「まぁ色々事情があるんだよ……」
「色々って何?」
「話すと長くなるけど……」

てっきりそれでも『話せ!』と言われるかと思ったが、七海は困った表情で周囲を見渡した。

「うーん……、仕事上長話してられるわけじゃないしな……」

話さなくて済みそうだ。
安心したが、それは表情に出さないように気をつける。

「メールして。メアド、変わってないから」

七海はそう言い残して、元居た場所に戻っていった。
それとほぼ同時に寿々歌も帰ってくる。

「買ってきたよ、ポップコーン」
「寿々歌、逃げんなよ」
「だって、七海怖いんだもん……」

それでも親友と言えるのだろうか。

俺達は恋人同士だと言えるのだろうか……。

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