そして、今日もキミを想う。【完】

ⅱ.決意のキス


寿々歌が帰った直後、リビングの携帯がバイブ音を立てた。
誰からかかってきた電話かもろくに確認せずに、俺は通話ボタンを押した。

『大悟? あんた、いつになったらメールくれるわけ?』

……七海だ。
いつになったら、と言われても、メールしろと言われたのは今日の昼、家に帰ってきたのはついさっきなんだから、メールする時間なんてなかった。
こいつは昔からそうだ、せっかちな奴なのだ。

『今暇だから、今のうちに全部話してくれる?』

どうしてこうも怒鳴りつけるように話すのだろうか。
俺以外の奴にはこんな態度とらないのに。

「分かった、話すから。ちょっと静かにしてくんないかな」

俺は一度携帯を離して、深く溜息をつくと、俺達に起きた事を話した。


< 62 / 113 >

この作品をシェア

pagetop