そして、今日もキミを想う。【完】

「まったく、定はその身長といい雰囲気といい、変わってないね」
「そういう七海の方こそ変化が見えないけど」

仲良く会話を弾ませる定と七海だったが、その陰に隠れるようにいた寿々歌は、宮崎に着いてから殆ど口を開いていない。
これから啓太に会いに行くのだ。俺なんかよりも、ずっと心苦しいはず……。

どうやって慰めればいい?
どうやって励ませばいい?

結局俺はヘタレのまま、変わってない。

最悪だ。
親友も愛する人も傷付けて、こんな自分が嫌で舌打ちをする。
最初に寿々歌に話しかけたことから、間違っていたのかもしれない。
全部全部、狂わせたのは俺なのに……。

< 67 / 113 >

この作品をシェア

pagetop