そして、今日もキミを想う。【完】
「まったく、定はその身長といい雰囲気といい、変わってないね」
「そういう七海の方こそ変化が見えないけど」
仲良く会話を弾ませる定と七海だったが、その陰に隠れるようにいた寿々歌は、宮崎に着いてから殆ど口を開いていない。
これから啓太に会いに行くのだ。俺なんかよりも、ずっと心苦しいはず……。
どうやって慰めればいい?
どうやって励ませばいい?
結局俺はヘタレのまま、変わってない。
最悪だ。
親友も愛する人も傷付けて、こんな自分が嫌で舌打ちをする。
最初に寿々歌に話しかけたことから、間違っていたのかもしれない。
全部全部、狂わせたのは俺なのに……。