そして、今日もキミを想う。【完】
「ねぇ……、大悟」
今まで黙っていた寿々歌が、ふいに口を開いた。
そのか細い声には気付かず、定と七海は歩き出す。
「全部……全部私のせい? 全部私がいけなかった?」
俯いているせいで分からなかったが、寿々歌は涙を堪えているように見えた。
「寿々歌、大悟! 何やってんの」
振り返った七海が、俺達がついてきていないことに気付き、俺達を呼ぶ。
その後に振り返った定が、七海をどこかに連れて行った。
きっとあいつは状況を理解してくれたのだ。
定はちゃんと分かってくれるのだ。
「……大悟」
俺の名を呼び、すがるように顔を上げた寿々歌の瞳には、涙が浮かんでいた。