そして、今日もキミを想う。【完】
ⅱ.涙も笑顔も
七海と寿々歌はお昼の買出しに行き、その間に定の携帯にマリさんから連絡が入った。
「もしもし……、啓太は……。良かった。……はい、お願いします」
電話を切った定は、俺を安心させるように、「啓太、大丈夫だってよ」と言った。
マリさんは暫く、啓太に付き添うらしい。
俺はホッとして息をついた。
買出しに行っていた二人が帰ってきて、4人で昼食をとった。
七海が場の雰囲気を和らげてくれたこともあり、穏やかに昼食は済ませることができた。
しかし、昼食を食べ終えると、寿々歌は黙って席を立ち、奥の部屋へ続く扉に手をかけた。
俺も続いて立ち上がって、寿々歌の後を追った。