お伽話
参
翌朝
「あの、赤髪
嘘かもしんねーぞ?」
今は、ルナの部屋でアベルの説教中
「わかんないでしょ?本当に
記憶がないのかもしれない。
なら、あのままはあまりにも気の毒よ?」
あのままというのは
アベルは用心棒に反対した。
独房に戻すべき
と反対意見をルナに出したのだ。
昨日の話はもうルナの中では決まったこと。
なんと言われようと
変えるつもりは無い。
「お前は、少し自覚が無さ過ぎる、
一国の王女だぞ?
自分と俺以外は敵だと思うくらいしろ。」
「アベルは敵じゃないの?」
「当たり前だ、世界を敵に回してもお前の見方だ。」
さも、当然というように
言うアベル。
「心配してくれてるのに、ごめん。」
「はぁ~・・・。」
まあ、今に始まったことじゃない
ため息混じりに呟くアベル。
「まぁ、いいさ
何かあれば俺もいるし
あいつを呼んでくる。」
そういって部屋を出た。