僕らのアナザーリアリティ
「僕らの知らないところでそんなことが起きていたなんて...」
「「......。」」
重苦しい空気が流れる。
その沈黙を破ったのは柚木だった。
「...ねぇソラン。」
「何かな?」
「もし、世界が闇で満たされたらどうなるの?」
「この世界と梨斗たちの住む世界、二つの世界から希望という希望は全てなくなると、ジエイナは言っていたよ。」
「そんな...」
「...俺達はどうすればいいんだ?」
ずっと黙っていた歩が強い口調でソラン達に問い掛けた。
「私達と共に闘ってほしい。」
「ただ、とても危険だ。出来れば一緒に闘ってほしいけど、無理にとは言わねぇ。本当はオプトとして何がなんでも関わってもらうつもりだったんだが...」
「おい、トルテ!!」
「ワイド、最後まで聞けよ。でも、三人が成長していく様子を見て、こうして実際三人に会って話してみて...あたしは今そんなことを考えた自分に怒りを覚えてるよ。だってそうだろ?梨斗たちからすればまだ知り会ったばかりなのに、こんなにあたしらのこと信じてくれて。笑顔をくれて。この世界で起こったことを知って涙を流してくれて。」
「「「!?」」」
梨斗たちはいわれて初めて、自分たちが涙を流していることに気がついたようだ。それ程までに自然に溢れ出してきた涙だったのだろう。
「あたしはこんなにも純粋で優しい、澄んだ心を持った奴らを傷つけたくなんかない!!危険な目に合ってほしくねぇんだ...」
「トルテ...」
「だから無理して闘わなくたっていい。気にしなくていいんだ。」
「...ありがとうトルテ。僕、今の君の言葉のおかげで決められたよ。」