僕らのアナザーリアリティ


「梨斗...いいんだ。梨斗に闘いは似合わな「僕はトルテ達と一緒に闘う、いや、闘わせてほしいんだ」...え!?」

「だから、一緒に闘いたいんだ、僕」

「いいのか梨斗、本当に危険なんだぞ!?」

「こんなに僕達のことを考えてくれる友達が、辛い思いをしてるって分かってて自分を守る為に知らない振りをするなんて僕にはできないよ」

「梨斗...」

「リトだけじゃねぇからな!!」

「だぞ。忘れないでほしいな」

「歩、柚木も...」

「そう思ってるのはリト一人じゃないってこと忘れんなよな!!」

「俺達はいつだって三人一緒だろ?」

「...きっと歩と柚木ならそう言うって思ってた」

「当たり前」

「それにねトルテ」

「なに?柚木」

「私達は実際、もう襲われてる訳だし、危険な目に合うのはきっと同じだと思うんだ。」

「それは...」

「だったら、どうせ危険な目に合うなら、少しでも力になりたい。何が起きてるのか知ったのに、皆の為に大変な思いをしてる人がいるって知ったのに、自分に出来ることがあるって知ったのに、我が身可愛さに何もしないなんて、そんなの卑怯な人がすることだよ。私は、卑怯者になんかなりたくないし、なるつもりも全くないよ」


柚木の力強い言葉の後、しばし沈黙が流れた。

そして

「...梨斗、歩、柚木ありがとう。本当に、ありがとう」

「だから言ったでしょ?梨斗達ならきっと力になってくれるって」

「ソラン」

「その通りだぞトルテ。私達の相棒をもっと信じるべきだ」

「ワイド...うん。分かってるよ。それにミスチフなんかに負けるような人達じゃないこと、ちゃんと分かったから」


こうして、出会ったばかりの六人は、本当の意味で分かり合うことができたのだった。違う方向を向いていた彼らは同じ方向を向いて歩き始めた。
そしてこの瞬間、止まっていたこの世界の歯車も動き始めたのだった。



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