僕らのアナザーリアリティ
『本当はこんな登場するつもりじゃなかったんだけど...仕方ないね。君には本来いるべき場所に帰ってもらうよ。』
ギュァァァァァァ
『じゃあ、いくよ。』
そう言うと彼女?は両手を前に突き出し光の玉を生み出した。
フゥ...
彼女?が生み出した光の玉に息を吹きかけると、玉だった光は細かい粒の集合体になって黒いモノの周りを覆っていった。
彼女?が黒いモノと対峙してからここまでにかかった時間はわずか1分足らず...
梨斗たちが息をのんだのとほぼ同時に勝負はついた。
黒いモノを覆っていた光が消えたときにはソイツの姿は跡形もなく消えていた。
梨斗たちがホッとして溜息をはいた瞬間、彼女?は振り返り先程のように浮かびながらこちらに飛んできた。
『みんな大丈夫だった??その様子だと...平気みたいだね。良かった。』
そのとき梨斗たちは初めてまともに彼女?の顔をみた。
人懐こそうな笑みを浮かべ微笑むその顔は藍がかった黒髪に陶磁器のような白い肌、桜色の薄い唇、何より少し垂れた綺麗な蒼い瞳と、とても可愛い整った顔立ちをしていた。
「(可愛い娘だなぁ)助けてくれてありがとう!!」
そういって彼女?に微笑んだ梨斗は確実に後ろに花を咲かせていた。
中性的な顔立ちとはいえ梨斗は美人であった。
なので微笑まれた彼女?が
『そんなっ可愛いなんて...梨斗のほうがずっと可愛いよ///』
となるのも仕方がないだろう。......ん??
「なっ何で僕が思ったことが分かったの!?」
「マジでか!?ってか梨斗こういうのがタイプだったのか!?」
「...歩。今の問題はそこじゃないと思う。あと、可愛いって思ったのは別にタイプとかそういうのじゃないよ??何て言うか....子犬とか子猫みたときに可愛い~っていうのと同じで見たままを言っただけだよ??」
「だよな!?良かった!!」
「全く歩は...梨斗は人を見かけじゃなく中身で選ぶ奴だって知ってるだろ~」
「そりぁ...でも心配にもなんだろ??」
「まぁ気持ちは分かるけどね(笑)」
「もぅ2人ともっ///」