僕らのアナザーリアリティ

そこは何もない世界。
色がなければ音もなく、上下左右さえも分からない場所。

そんな場所で途方に暮れていると決まって必ず優しい声で『大丈夫だよ。こっちに皆いるよ。』と呼びかけられる。

声のする方へ顔を向けるとわずかに光が見え、そっちへ走って行くうちに光は段々強くなりその中から誰のものか分からない手が差し出される。

その手をとった瞬間決まって目が覚めるのだ。


「何で今になってこの夢を?」


しかし、今思い返してみればあの声はどこかで...

『梨斗?どうかした?』


そう。ちょうどこんな感じの......ん??


「もしかして...あの夢に出てきたあの声と手はリーフェア・ナテキ・ソラ?もしかしてあれは君だったの!?」

『いや、急に言われても分かんないよ梨斗。ごめんね?あとその名前長いからソランでいいよ。』

「何でソラン?普通ソラじゃない?」

『こっちの世界の発音ではソランの方が都合がいいんです。』

「そうかなぁ。」

『あんまり深く考えない方がいいよ?柚木。』

「かもね(笑)」


何かこの2人の間には通じる物があったみたいですね。いいことです。


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