片腕の彼に恋しちゃいました。
「…ありがと。」



『今日の杏李、
なんか変だぞ。
なんかあったか?』



「……マキは…。
マキはどこにいるの?」



『だから、そのうち連絡よこすだろっつってんじゃん。
そんなにマキのこと
心配なのかよ。
俺よりマキのほうが
気になんのかよ。』



「…そんなんじゃ…。」



『じゃあなに?』



峻稀は明らかに怒っていた。



それでも私は、話し続けた。



「今日、病院に行って
マキのお父さんに
会ってきたんだ。
お父さんなら、
マキの居場所がわかると思って。
でも、わからなかった……。
でもね。お父さんは確かに
なにか隠してる。絶対…。」



『…マキの親父、
どんな感じだったんだよ。』



峻稀は少し表情を和らげて言った。



「…寂しそうっていうか、
悲しそうっていうか…。
そんな顔してた。」
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