片腕の彼に恋しちゃいました。
『話しって。』



〈うん。槙斗が倒れたのは
七月の頭だったね。
あの時、すぐに
精密検査をしたんだ。
その時、頭に腫瘍が見つかった。
私はすぐ、手術しろと言ったんだ。
でも、あの子は嫌がった。
今、抗がん剤で治療をしている。〉



お父さんが話したことは、



今の状況だった。



『………。』



「…あの。
今手術すれば、間に合うんですよね?」



〈あぁ。でも、私が言っても
聞かないんだ。〉



「私…やってみます。
マキが手術してくれるように
マキを説得してみます。」



〈頼むよ。
でも、一つだけ。〉



「何ですか?」
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