片腕の彼に恋しちゃいました。
〈そっか。別れちゃったか。
俺、どうしたらいいかな?〉



「何もしなくていいよ。
早く病気治して。」



〈分かった。
杏李ちゃん、もう来なくていいよ。
俺のところに来てること
峻稀が知ったら、
本当に戻れなくなるよ。〉



「…マキのところには来るよ。
約束したじゃん。
退院するまで来るって。」



〈じゃあ…「でも、」〉



「でも…。
マキと付き合う気は無いから。
ただ、説得したの、私だから。
ただそれだけ……。」



〈…わかったよ。〉





「明日、また来るから。
学校始まったら、
終わってからじゃなきゃ
来れないけど。」



〈うん。〉





私は重い足どりを進めた。
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