片腕の彼に恋しちゃいました。
〈…動かねーな…。〉



「………。」



〈ふっ…。
こんなこと言っても
返事しにくいよね。
ごめん。…〉



「…大丈夫。
ちゃんとリハビリすれば
日常生活には支障ないって
先生も言ってたもん。」



〈…杏李ちゃんが言うなら
信用できる。
でもさ、早く峻稀のところ、
行ったほうがいいんじゃない?〉



「…なんで?」



〈…優太と公矢から聞いたんだ。〉



しゃべったんだ、峻稀のこと。



〈…行ってやれよ。
峻稀、一回スイッチ入ると
なかなか切れないからさ。
…早めに対処しないと
手遅れになるかも。〉



「でも…。」



〈いいから。
…暇な時来てくれればいい。〉



「わかった。
でも、今日はいるよ。
明日行ってみる。」
< 169 / 247 >

この作品をシェア

pagetop