片腕の彼に恋しちゃいました。
「峻稀とマキって、
中学からの親友なんだよね?」



『あぁ。』



「じゃあ、お互いのこと
何でも知ってるんだね!」



『……俺が知ってるマキのことより、
マキが知ってる俺のことほうが
多いんじゃねーかな。』



「え?」



『あいつ、俺のいろんなとこ
見てきてるし。』



「………そっか。
その、峻稀のいろんなとこ
私にも教えてくれないかな?」



……………



私いきなり何言ってんの!?



まだ会って一年しかたってないのに



自分のいろんなとこなんて



言えるわけないじゃん!



「…ごめん。」



『いや。話すっつっても
どっから話せばいいか
わかんねー。』



「そうだよね。」



そうだよ。



とくに峻稀は、



辛い過去を沢山抱えてるのに…。



思い出させちゃだめだよ。



今をこんなに楽しく生きてるのに。
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