片腕の彼に恋しちゃいました。
私と峻稀は、



マキが運ばれた部屋の前の椅子に座って



待っていた。



『大丈夫か。』



「…何が?」



『帰らなくて。』



「こんな状況で
帰れるわけないじゃん!」



『……わりぃ。』



峻稀は、私が怒鳴ったことに



少しびっくりしていた。





〈峻稀くん。〉



峻稀のことを呼んだのは



マキのお父さんだった。



〈杏李ちゃんもいたんだね。
今のところ、落ち着いたから。
詳しい検査は明日から、
こっちのほうでしておく。
二人ともありがとう。
後は任せて帰りなさい。〉



『…杏李、帰るか?』



「…マキの側に居たい…。」



『……じゃあ、行くか。病室。』



「うん…。」



私達は、マキがいる病室へ向かった。
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