*無口なキミの甘い言葉*



その言葉を聞いて、あたしは隆史くんを見た。



隆史くん。なんであたしにそんなこと言うんだろう?



「隆史くん?」

「帰るぞ」


「え!?」


鞄を持って教室を出て行こうとする隆史くんの後を慌てて追う。


でも、隆史くんはドアを出た廊下のところで立ち止まって待っててくれた。



そういう隆史くんの優しさが嬉しくて頬が緩む。


さっきも、告白断ったこと……あたしに言ってくれて。


どうしてそれをあたしに言ったんだろうって、疑問に思ったけど……でも、嬉しかった。


だって、まだ隆史くんのこと好きでいてもいいんだって思えたから。





< 16 / 40 >

この作品をシェア

pagetop