*無口なキミの甘い言葉*
美幸ちゃんが言ってくれる言葉をジッと聞く。
「だから、今日、隆史くんに菜子の気持ち伝えた方がいいよ」
あたしの気持ち。
あたしが隆史くんを好きだっていう気持ち。
ずっと…転校してからも心の奥の方で隆史くんのことを想ってた。
「なに話してるんだ?」
急に聞こえてきた声にあたしも美幸ちゃんも顔を向けると、そこには翔悟くんがいた。
「翔悟くん……」
自分の席に座った翔悟くんは頬づえをついた。
「で、なに話してたんだ?」
再びあたしと美幸ちゃんにそう聞いてきた。
でも、あたしはなんて言ったらいいのか分からなくて戸惑う。