*無口なキミの甘い言葉*
隆史くん。
あたしも隆史くんに気持ち伝えなきゃ。
「隆史くん。あたし…。隆史くん 好き」
「! 鈴木…」
隆史くんはあたしの告白に驚きの声を上げて、ギュッとあたしを抱きしめた。
ドキドキって激しくなる胸の音。
隆史くんの腕の中でその温もりを感じながら
目を閉じた。
「好きな子から言われるのって嬉しいんだな」
隆史くんは嬉しそうにそう言ったあとあたしの顔を見た。
「俺、昔は鈴木のこと名前で呼んでたよな」
「う、うん」
確かに、そうだった。
10年前は隆史くんに菜子って呼ばれてたんだ。