*無口なキミの甘い言葉*
確かに隆史くんは昔から無口な方だったけど……。
でも、あたしは隆史くんと再会できて嬉しいのに……隆史くんはそうじゃなかったのかな?
先に行く隆史くんの姿を見ながら心の中でそんなことを思った。
「鈴木」
すると先を歩いていた隆史くんが急に立ち止まり振り返った。
「た、隆史くん」
それにびっくりしながらあたしも立ち止まった。
「行くぞ」
「え?」
「後ろじゃなくて、横歩け」
「あ、あの…一緒に行ってもいいの?」
ぶっきらぼうに言った隆史くんの言葉にそう聞き返した。
「ああ」
口数は少ないけど、そう言ってくれた隆史くんの言葉が嬉しい。