*無口なキミの甘い言葉*
隆史くん…。
チラッと隆史くんの方に顔を向ける。
相変わらず目は閉じられたまま。
「ね、菜子」
ツンツンと肩をつつかれてあたしを呼ぶ美幸ちゃん。
あたしはまた隆史くんから顔をそらして、美幸ちゃんの方を向いた。
「ちょっと耳かして?」
「え?…うん」
なんだろう?と思いながら耳を傾ける。
すると、あたしの耳に顔を寄せてきた美幸ちゃん。
「菜子、─────だよね。───みたら…?」
小声であたしだけに聞こえるように言われた言葉にびっくりした。
「そ、そんなこと…!」