小林くんの家庭の悩み
……

気不味い沈黙は数秒続いた。

数分に感じる10秒前後の沈黙だった。

『いや、お前は本当に俺達の子供だ!』

その沈黙を最初に破ったのは、宏司だった。

『なんでさっ!この前テレビでやってた!あかちゃんの時に取り違え…』

『取り違えはない!…もう調べたんだ…』

『えっ…』

惣一郎は言葉を失った。

『最初からお前が俺達の子供だって気持ちに変わりはないが、DNA鑑定って方法でな…お前が5歳の時調べた。間違いなく俺達の子供だ。』

宏司は、惣一郎に近づき頭をなでながら言った。

幼い惣一郎は、宏司にしがみつき泣き疲れてそのまま眠りについた。

………………

両親の本当の子供である。

しかし、小林家にて例外的存在。

そんな自分を愛してくれる両親に祖父…。

小林家の子供である以上、何らかの能力があるはずだ。

その想いは変わらなかった。

先祖たちの能力の目覚めを調べた友造が教えてくれた。
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