小林くんの家庭の悩み

小林家…叔父(静)

ガチャ…

『ただいま~』

惣一郎が学校から帰って来た。

『惣ちゃ~ん♪』

オカマのような声と共に誰かが出て来た。

黒革の上下に、単髪を逆立てた金髪に、金のネックレスにサングラスをかけた少しマッチョな男だ。

『…静さん…;いらっしゃい…』

惣一郎は、少し迷惑そうに言った。

『惣ちゃん、いつ見てもいいオ・ト・コね♪』

惣一郎は、この静という男が苦手だった。

『静ちゃん!惣ちゃんに手を出したら出入り禁止って言ったでしょ!』

調度帰ってきた美和子が怒りながらドアを開けた。

『やぁ~ねぇ;カワイイ甥っ子に手は出さないわよ;』

美和子の弟…つまり惣一郎の叔父である。

惣一郎が静を苦手としているのは、彼がゲイだからだった。

『静ちゃんだ~♪』

買い物を手伝った葵が美和子の後ろから覗きこんだ。

『ヒッ!葵ちゃん!…ちょっと、私、お、お花つみにぃ~…』

静はトイレに駆け込んだ。

静は葵が苦手だった。
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