好きって言ってよ。






《分かってることも、分かってるって!》


ケラケラ笑いながら、アイツは言った。


それが少し無理しているような気がしたのは、気のせいだろうか?


でも、つられて俺も笑い返した。




と思えば、アイツは急に真剣になって。



《お前、体育館裏にいるだろ。……あの子のことを好きなくせに、別れたショックから?》



…あぁ…ご名答。

さすが頭の良いヤツは違うね。

やっぱりお前には敵わないよ。


それが俺は悔しくて、

「……まぁな」

と、素っ気なく返した。




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