Plastic.
10時、5分前。


駅前に着くと、人混みの中に、雅司の姿を見付けた。


相変わらずのオシャレさん。


私服はもう何度か見てるんだけど、2人なんて初めて。


改めて、緊張する。


なんて、二の足踏んでいると、雅司がこちらに気付いた。


「何突っ立ってんだよ」


小馬鹿にしたように、笑う。


まさか、見惚れてました、なんて、言わないけどさ。


「おはよっ」


昨日の事もあって、


いたって普通に接する。


緊張が、表に出ないように。


デートだなんだって、意識しないように。


「じゃあ行こっか」


そう言って雅司が歩き出す。


意識しないように・・・って思うけど・・・


これってやっぱデートじゃん!


火照る頬がバレないように、


俯いて雅司の後に続いた。




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