ミルクティーな彼。






「俺、君のこと気に入っちゃったな。」



ニコリッ




そんな効果音がつきそうな笑みをして言った先輩。





『…。』



いや、だから何と返せばいいんだろうか。





『…ありがとうございます。ですが私、授業を受けないといけないので失礼します。』



「え〜。」



『失礼します。』



「そう。またね、はづきちゃん。」





笑顔で手を振る先輩。


何故名前で呼ぶんだろうか。

馴れ馴れしい人だな。


そしてあの胡散臭い、偽りの笑顔。

影がかかったような…笑顔。



何かあるのだろうか…。






少し気になるけど、それを振り払って、お辞儀だけを返し、教室へと急いだ。



(サボるつもりだったけどね。)






私を見えなくなるまで見つめている視線には気付かずに。






「…クス。面白くなりそう。」





この呟きにも、気付かずに。











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