ミルクティーな彼。
学校の門をくぐると、まだ疎らにしか人はいなかったが、そんな少数な人間でも、
『キャーーー!!!』
やはりうざい存在はいるわけで。
電車のほうも欝陶しかったが、それより五月蝿いため、こちらのほうがたちが悪いと思う。
(耳痛い。)
何か声をかけられているが、すべて言葉を発することなく、ただ笑顔だけを振り撒く。
もちろん作り物の笑顔を。
疲れるし面倒だが、周りにこうして作っていれば、揺るぎない地位につける。
そうすれば生徒は勿論、教師共からも信頼される。
ある程度融通がきく、扱いやすい地位だ。
いつからだろうか、自分を偽って作るのは。
もう忘れるほど前からだ。
慣れきったこの生き方に、自分自身ではもう違和感や空しさは感じない。
そんな俺を知らない周りーー今の状況では女子達ーーはまた騒ぎ続けている。
…なんで女ってこうなんだよ。