3週間の激恋
そう言って、耳を近づけると・・・。


「戸川?」

「ビンゴ。」

「はっ?マジで?」

「うん。」


やっぱり、ビックリするんだなぁ。


当たり前か、普通生徒を好きになるのに先生を好きになるとか。


あんまりないもんね。


実際、自分でもビックリしてるし。


「どこがいいん?」

「どこっち聞かれると困るなぁ・・・でも、気づいて欲しいだけに目の前で騒いだり、急に話し振ったりとかはしよんよ。」

「マジかぁ。俺が手伝っちゃろうか。」

「何を?」

「実験で分からんところとかに呼んだり。」

「それ、望たちも言いよった。」


案外、男子たちも協力してくれんだ。


意外、ちょっと嬉しいかも。


そんな雑談ばっかりしてると・・・。


「香ー。」

「はい?」

「頑張るんやねかったっけ?」

「頑張る、頑張る!」


菊池先生登場!


いつものドSっぷりが今日も発散されてるよ。


そんなこんなで、理科の授業も普通に終了。


・・・の、ハズだった。


「ありがとうございました。」


終わって、帰ろうと思ったら皆がいない・・・。


周りを見渡すと、望たちが戸川せんせいを取り囲んでいた。


「また、何かしよん・・・。」


危険な感じがして、すぐにそばに行くと・・・。


「はい、先生。早く、早く!」


望たちが先生をなぜかせかしてる・・・。


次は何をするんだ?と思ってたら・・・。


「香ちゃん、次頑張って。」


ほ?・・・ほ?・・・ほ?


今、「香ちゃん」って言いましたか??


先生は恥ずかしそうに手を振りながらあたしに言った。


あたしは予想外の展開にどう反応すればいいかわからなくて、誰かの手を引っ張って教室を走って出た。


頭真っ白で・・・顔真っ赤・・・。


「キム、顔ヤバッ!」

「超赤いよ。」

「ヤバい・・・どうしよー・・・。」

「嬉しいやろ?」

「うん!超嬉しい・・・。」


感動だよ。
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