3週間の激恋
「あと、1年あるけん」確かに1年って聞くと長く感じる人も多いかもしれない。


だけど、あたし達から見れば、1年はあっという間。


1年のときだって、こんなに早く時間が進むなんて思ってなかったから。


だから、先生の「あと、1年あるけん」その言葉は凄く重荷になった。


「あと1年しかないんだよ!」


あたしが先生に向かってそう言うと。


「ハハッ。」


先生は小さく笑った。


先生にはわかんないよ、あたしのこんな気持ち。


そうとう焦ってる、気持ちなんてわかんないよ。


この世界に高校なんてなかったらいいのに・・・。


なかったら、楽なのに・・・。


「その前に、清風ノート終わってないし。」

「何ページたまっちょんの?」

「軽く20ページ以上はたまっちょんと思う。ヤバいなぁ。」

「マジで?ヤバいやん。」

「うん。どーしよー・・・。」


あたしが言ってる中学には清風ノートというノートがある。


A4のノートに毎日自主学習をするのが決まり。


あたしはそのノートが嫌いでサボってばっかり。


多分、好きな人なんていないと思う。


1年のころもサボッてばっかでノートを埋めるのに必死だった。


あたしが悩んで座り込むと・・・。


「1週間で終わらせたいなら1日3ページするば終わるけん、頑張って。」


また隣から声が聞こえてくる。


「そうやん!1日3ページすれば1週間で終わるやん!」

「ん?」


やっぱり、理解できないあたし。


でも、「頑張って」って先生に言われたからには頑張らないわけにはいかない!


今日から溜まった分埋め尽くしてやる!!


↑本当に自分って単純だなって思った。


まぁ、恋してる人だったら誰でもそうだと思う。


好きな人に「頑張って」って言われて頑張らない人はいないハズ。


「何話よんのー。」


来た来た、KY娘。


あたしも麗香も嫌いな女子。


本田奈津。


あたし達の話に割り込んでくるなり、先生にベタベタ触りやがって。
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