眠り姫~sleeping ready~
バルコニーからは庭や、空が美しく一面を覆っていた


「陛下、、よろしいでしょうか?」

声のする方を見れば、シーラが立っていた

「どうかしたか?」

「はい、ヴァイオレット様の事で御座います。」

「ヴァイオレットがどうかしたか?」

シーラはレイに近づき真っ直ぐ見て話をした


「あの日、陛下がお部屋でヴァイオレット様に避ける理由を聞いた後の事で御座います」


「ああ、あの日か」


「陛下が大丈夫だと言いましたよね?ですが陛下が部屋から退室なさったあと、ヴァイオレット様は、、、」


シーラは迷っていた
ー言ってしまって大丈夫かしら…

「シーラ?」


「ヴァイオレット様は言いました、"ササリナ様に眠らされた"と…」


そう、誰も居ないと思っていた部屋にはたまたまシーラがいて、
聞いてしまっていた


「私にはよくわからない事でございます。ですが、あの日以来、ヴァイオレット様は眠るのが恐いと…言っています。」


「ヴァイオレットがか?」


レイはバルコニーの庭に視線を向けた
ヴァイオレットが恐いと…


「しばらく眠れていません、ヴァイオレット様は」

「何がそんなに恐いんだ…」

「わかり兼ねますが、陛下、ヴァイオレット様を助けてあげて下さい。陛下はヴァイオレット様を大事にしています。ですから…」


「あら、?陛下?」
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